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【社労士監修】アウトソーシングのメリットや注意点、BPOを解説

アウトソーシング

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この記事の監修者
中小企業診断士及び社会保険労務士の大庭真一郎先生
社会保険労務士/中小企業診断士
大庭 真一郎
大庭経営労務相談所

業務の効率化や処理能力の向上などを目的としてアウトソーシングを活用している企業は多いでしょう。アウトソーシングをうまく活用することは、業務の幅や質を向上させてくれます。

このページでは、アウトソーシングの意味やメリット、注意点などを解説します。

アウトソーシングについて良くある疑問
~このページで解決します!~
アウトソーシングとは?
業務を外部に委託することです。

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アウトソーシングのメリットは?
社内業務量削減だけではなく、業務の質向上やリソースの集中など様々なメリットがあります。

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目次
アウトソーシングとは?

アウトソーシングとは

一部業務を外部に委託することをアウトソーシングと呼びます。業務委託、業務請負、外部委託、外注、などと同じ意味を指しており、最近ですと「BPO」(ビジネスプロセスアウトソーシング)と呼ばれることもあります。

現在は一昔前と比べてアウトソーシングできる領域が広がっており、大きな資本を持たなくても活用できるサービスが増えてきました。

例えば、「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったサービスを利用すれば、インターネット上で面倒な書類のやり取りなどを介さずに個人に仕事を頼むことができます。また、人材管理、経理、総務領域でもインターネットの広がりによって様々なサービスが提供されており、社内の業務を外部サービスで効率化することができます。

最近ではAIやロボットを活用したRPAサービス等もありますし、これまで社内で行っていた業務のアウトソース化がどんどん進んでいくでしょう。

派遣との違い

良く疑問に思われるのは、アウトソーシングと派遣との違いです。

アウトソーシングは請負契約となりますので、実際に作業するアウトソース先の従業員に対して指示する権利はありません。あくまで成果物を根拠に業務が進められます。

対して派遣は、派遣された人材に対して業務上の指示を出すことが出来ます。

業務内容を頻繁に変えたり、業務のやり方を細かく指示したい場合などでは、派遣を利用すると良い場合があるでしょう。

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングのメリットは何だと思いますか?単純に社内の業務量を減らすだけでしょうか?

ここでは、良く挙げられるアウトソーシングのメリットを紹介します。

社内業務量削減

社内での業務量の削減が出来ます。アウトソーシングすることによる最も分かりやすいメリットの一つでしょう。

固定費である人件費を増やすのは大きな決断ですし、優秀な人材が直ぐに雇える保障もありません。また、社内で処理しきれない量の業務を限られた人数で行おうとすると、どうしても長時間働くことになりますし、ミスも発生しやすいでしょう。

アウトソーシングを活用して社内の業務量を削減できれば、急いで無理に新たな人員を雇わずとも、業務を処理できるかもしれません。

業務の質向上

アウトソーシングソリューションを提供している会社は、特定の業務に特化していることが殆どです。

餅は餅屋ということで、自社が苦手な業務であればその業務が得意な会社にアウトソーシングした方が業務の質が上がることは明白です。

費用対効果との兼ね合いではありますが、自社の業績にとって重要なポイントであればあるほど、適したアウトソーシング先がないかどうか確認すると良いでしょう。

セキュリティの向上などの付加価値

問題なく行っていると思っている業務に大きな落とし穴や改善点があることも良くある話です。例えば、自社でスムーズに行える業務であってもセキュリティが弱いなどの問題を抱えている場合があります。

そのような気が付きにくい落とし穴や機会損失に対するソリューションを提供しているアウトソーシング企業がたくさんありますので、経営者は常に業界情報を仕入れておくと良いでしょう。

社内リソースの集中

社内で本当に時間をかけるべき業務はなんでしょうか。

業務の重要な判断をしなければいけない立場の人が、帳票類の処理や勤怠の管理など付加価値を生み出さない定型的な業務に時間を取られていないでしょうか。

従業員がそれぞれの仕事を全うする上で本来の業務とは関係のない仕事をしていないでしょうか。

アウトソーシングを賢く活用することで、企業を成長させるために必要な場所に十分な人材と時間を投下することが出来るでしょう。

コストの削減

経営者であれば痛いほど感じているかもしれませんが「人件費」は経営における最大のコスト(費用)ですよね。

不得手な業務に従業員の時間が取られればその分の人件費が無駄になってしまいますので、アウトソーシングを活用することでコストの削減につながることもあるでしょう

社内業務で発生していると想定される人件費とアウトソーシング費用を比較すると良いでしょう。

属人化防止

特定の業務を特定の人が長期間担当していると、業務が属人化してしまい特定の従業員にしか処理できない業務が増えてしまいます。

属人化は組織のリスクになりますから、極力避けたいところですよね。

アウトソーシングを活用する過程では業務の整理がなされますので、自然と属人化の防止に役立ちます。一部業務のアウトソーシングであっても、業務全体を把握してアウトソーシング先に依頼する必要があるからです。

アウトソーシング活用の進む業務分野

特にアウトソーシング活用が進んでいる業務はどの領域でしょうか。

幾つか代表的な業務をピックアップしました。自分の会社業務もアウトソースできないか確認してみると良いでしょう。

ITシステム

ITシステムのアウトソーシング開発は既に一般的です。中には海外に開発拠点を持ち、賃金の安い外国人エンジニアを雇って格安でシステムを受託開発する企業もあります。

優秀なエンジニアを大量に雇うことやエンジニアをうまくマネジメントすることは非常に特殊性が高く、経験がないと中々難しい分野でしょう。自社内に新たにIT部門を作るよりも、外部に委託してしまった方がすべての面においてメリットがあることも良くあります。

税務/会計/法律/行政手続きなど

弁護士や会計士、税理士などの専門家が活躍する分野でのアウトソーシングには既に長い歴史があります。

規模が小さい会社の場合、専門的な手続きを社内で処理しようとして膨大な時間がかかり本業が疎かになってしまうケースも多々あります。

また、専門家に依頼することで様々な優遇処置を自社に適用できることもあるでしょう。税理士から正しい節税方法を教わってみたら顧問料よりも節税額の方が大きかったということもあるでしょう。

人材採用

人材の採用はアウトソーシングする企業も多いでしょう。

人材を募集する際に自社を最大限魅力的に見せるノウハウや、募集数を伸ばすノウハウなどは、人事経験が豊富なスタッフがいないと分からない部分です。また、募集するチャネル(WEBや紙面等)に関する知識も必要となってきます。

アウトソースした場合は費用が発生しますが、優秀な人材が採用できるとすれば安く感じられることもあるでしょう。

営業

営業を専門としている営業のアウトソーシング企業もあります。自社で営業人員を抱えずに商品の売り込みが出来ますので場合によって活用できるでしょう。

営業の仕方で企業に対するイメージも変わってしまいますから、活用する際は綿密に調査してからにしましょう。

社員教育

社員に対するビジネスマナーの教育や、コンプライアンスに関するセミナーや、社員研修を一緒に企画運営してくれるような会社もあります。

社員の教育や、仕事に対する意欲を掻き立てるようなイベントなどは、会社の雰囲気を良くしてくれますし業績にも良い影響を与えることがあります。

イベント自体には直接的な売上貢献がなく社内リソースを割きにくい領域ですので、アウトソーシングを活用するのも一つの手です。

まとめ

アウトソーシングは、賢く活用することで様々なメリットがあることが分かりました。

アウトソーシングできる業務の幅は近年急速に増えており、自社に活用できるサービスもあるかもしれません。まずは自社内の業務を見返し、本当に自社内で行うべき業務なのか話し合ってみると良いでしょう。

また、アウトソーシングサービスを提供している会社の情報を収集することで、自社の業務中の無駄や改善点に気が付くこともあります。常に最新の情報をキャッチアップしておくと良いでしょう。

この記事の監修者
中小企業診断士及び社会保険労務士の大庭真一郎先生
社会保険労務士/中小企業診断士
大庭 真一郎
大庭経営労務相談所
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